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2008年11月24日

Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1


 イギリスの社会福祉の歴史に登場するワークハウス(work house)


 ワークハウスは、簡単に言ってしまうと、「救貧法」という法律の下、貧困に陥った人を収容して労働に従事させたり病人などを保護したりしたところです。

 1570年代に始まり、1601年の救貧法制定後からは、地方行政?(local parish)に責任が委譲されました。

 1834年の救貧法改正前は自宅がある人は自宅に住んでいてもよかったのですが、改正後は、救済を受けている人はすべてこのワークハウスで暮さなくてはならなくなりました。

 当時は、障害者福祉や児童福祉などがなかったので、孤児、障害者、未亡人、高齢者など貧困に陥りやすい人々を全部まとめてワークハウスに収容していました。


 ディケンズの小説「オリバーツイスト」にも、少年オリバーツイストがワークハウスで過ごした悲惨な生活のことが描かれています。


 このワークハウスの建物がリーズに残っていることを、私と同じ在外研究で韓国の大学からいらしている甘先生が教えて下さり、一緒に行ってみようということになりました。


 最高気温1度という寒さの中、先生の車で現地へ。
 リーズ大学から車で10分もかからないところにありました。

 
 これが、リーズのワークハウス。1861年に完成。
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1




 この写真はワークハウスに集められた貧困者の中で働けそうだと判断された人たち。
 建物の中の歴史紹介コーナーにありました。
 Abled-bodied inmates(働ける収容者・・・という感じの意味) というタイトル付き。

Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1





 さて、こちらは、訓練学校( Moral and Industrial Training School )。生活面と職業面の両方を訓練する学校です。
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1



ワークハウスより早く、1848年にスタートしました。
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1




 これらの建物がある敷地には他にも教会や病院、児童施設などが建てられました。
 当時の貧困救済の総合施設だったのだろうと想像します。

Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1



Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1




この人たちは職員
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1







 実は、この建物のある敷地は現在は病院になっています。
150年前のこれらの建物も使われていて驚くとともに、けっこう頑丈なつくりだったのだと知りました。

 これは建物のレンガ
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1




 しかし、当時は暖房などないから相当寒い場所だったろうし、ここに大勢の人間が暮らしていたわけで病気の広がりも早かっただろうと思います。
 ワークハウスに関するサイトを読むと、当時の悲惨で厳しい生活条件を知ることができます。

例えば、このサイト→ http://www.workhouses.org.uk/
http://www.workhouses.org.uk/index.html?Leeds/Leeds.shtml
 (今回はこのサイトを参考にしました)





おまけ。。。

 ところで、このワークハウスの建物の一部は、医療博物館(medical museum)としても使われています。
 この日は、クリスマスフェアということで、スタッフは気合いが入っていましたよ。
Work House:イギリスの社会福祉の歴史part1



 この博物館のサイトはこちら
 →http://www.workhouses.org.uk/index.html?Leeds/Leeds.shtml



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Posted by リーズだより at 19:04 │社会福祉